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貸切バスの初任運転者教育の基本を徹底解説!(2025年版)

バス初任運転者講習

貸切バスの初任運転者教育の基本を徹底解説!(2025年版)

貸切バスの初任運転者教育は、運転の安全と乗客の安心を守るために欠かせない制度です。貸切バスは路線や道路状況に応じた判断力や高度な運転技術が求められるため、初任運転者には座学と実技を組み合わせた計画的な教育が必要となります。今回は、初任運転者教育の目的や対象者、具体的な実施方法など、2025年最新版の情報をわかりやすくまとめてご紹介します。

  1. 貸切バスの初任運転者教育とは?
    1. 目的
    2. 対象者
    3. 指導時間と実施方法
    4. 準初任運転者とは?
  2. 初任運転者に対する特別な指導内容(貸切バス)
    1. 1.事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項
    2. 2.事業用自動車の構造上の特性と日常点検の方法
    3. 3.運行の安全及び旅客の安全を確保するために留意すべき事項
    4. 4.危険の予測及び回避
    5. 5.安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法
    6. 6.ドライブレコーダーの記録を利用した運転特性の把握と是正
    7. 7.安全運転の実技
    8. よくある勘違い:実車を用いた指導
  3. 適性診断の受診
  4. 初任運転者教育の記録と保存
  5. 貸切バスの初任運転者教育はグッドラーニング!
  6. まとめ

貸切バスの初任運転者教育とは?

貸切バス

乗合バスまたは貸切バス等の運転者は大型自動車を運転することが多いため、経路や路線、営業区域における道路の状況その他運行の状況に関する判断、およびその状況における運転について、高度な能力が要求されます。

目的

貸切バスの初任運転者教育は、高度な能力が要求される初任運転者に対し、単なる運転技術だけではなく安全運行や旅客対応に必要な知識や技能をしっかり身に付けさせる目的があります。

旅客自動車運送事業者は、ハンドリングや車両特性の理解といったバスの運転に必要な技能はもちろん、交通法規や安全運転に関する知識、路線や道路状況に応じた判断力、旅客への接遇やマナーなどの項目を計画的に指導しなければなりません。座学と実技訓練の両方を行うことでバスの特性を理解し、安全運行できる技能を身に付けます。

対象者

初任運転者とは、以下に該当する者を指します。

  1. 当該旅客自動車運送事業者において事業用自動車の運転者として新たに雇い入れた者
  2. 当該旅客自動車運送事業者において他の種類の事業用自動車の運転者として選任されたことがある者であって当該種類の事業の事業用自動車の運転者として初めて選任される者

なお、初任運転者教育は、当該旅客自動車運送事業者において、初めて当該事業の事業用自動車の運転者に選任される前に実施しなければなりません。

初任運転者教育が免除になるケースは?

基本的に初任運転者教育が免除されることはありません。

国土交通省は2016年1月15日に発生した軽井沢スキーバス事故を受け、同年8月31日に貸切バスの安心・安全な運行を目的とする制度改正を発表しました。これは事故対策検討委員会が取りまとめた「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」に基づき、法令面からの措置を可能にするものです。

これにより事業者が新たに雇い入れる全ての運転者に適性診断を受診させ、当該運転者の運転特性を踏まえた指導や監督を実施することが義務付けられています。

参考:国土交通省

指導時間と実施方法

初任運転者に対する特別な指導は、①~⑥の内容を合計10時間以上、⑦を20時間以上実施しなければなりません。

  1. 事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項
  2. 事業用自動車の構造上の特性と日常点検の方法
  3. 運行の安全及び旅客の安全を確保するために留意すべき事項
  4. 危険の予測及び回避
  5. 安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法
  6. ドライブレコーダーの記録を利用した運転特性の把握と是正
  7. 安全運転の実技

⑦の実技については、実際に走行する区間を運行したり、初任運転者本人が運転・指導者が添乗して指導したり、営業所周辺ルートから運転をはじめ指導者が適正状況に応じてルートを選択し、市街地や坂道、高速道路等の走行を実施します。

出展:旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針
参考:安全運転の実技指導の内容の公表(初任運転者)
参考:貸切バス初任運転者に対する安全運転の実技指導内容の公表

バス初任運転者講習

準初任運転者とは?

準初任運転者とは、初任運転者以外の者で、直近1年間に当該貸切旅客自動車運送事業者において、実技の指導を受けた経験を含む運転の経験のある、貸切バスより大型の車種区分の貸切バスに乗務しようとする運転者のことを指します。

初任運転者に対する特別な指導内容(貸切バス)

バスの運転手

旅客自動車運送事業者は、経験や知識が十分でない初任運転者に対し、事故防止のために特別な教育を行う必要があります。この特別な指導は、運転者一人ひとりの状況に合わせ、適切なタイミングで十分な時間をかけて行わなければなりません。事業用自動車を安全に運行できるよう、適切な指導をしましょう。

1.事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項

道路運送法その他の法令に基づき運転者が遵守すべき事項及び交通ルール等(貸切バスの運転者にあっては、運行指示書の遵守を含む。)を理解させるとともに、事業用自動車を安全に運転するための基本的な心構えを習得させます。

2.事業用自動車の構造上の特性と日常点検の方法

事業用自動車の基本的な構造及び装置の概要及び乗合バス又は貸切バス等の運転者にあっては、車高・視野・死角及び内輪差等の他の車両との差異を理解させるとともに、日常点検の方法を指導します。この場合において、貸切バスの運転者にあっては、当該運転者が実際に運転する事業用自動車と同一の車種区分の自動車を用いて指導します。

3.運行の安全及び旅客の安全を確保するために留意すべき事項

旅客自動車運送事業者の事業の態様及び運転者の乗務の状況等に応じて、シートベルトの着用を徹底させることその他の事業用自動車の運行の安全及び旅客の安全を確保するために留意すべき事項を指導します。

4.危険の予測及び回避

道路、交通及び旅客の状況の中に含まれる交通事故につながるおそれのある主な危険を理解させるとともに、それを回避するための運転方法等を指導します。また、貸切バスの運転者にあっては、当該運転者が実際に運転する事業用自動車と同一の車種区分の自動車を用いて、制動装置の急な操作の方法について指導します。

5.安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法

安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車を運行する場合においては、当該装置の機能への過信及び誤った使用方法が交通事故の要因となるおそれがあることについて説明すること等により、当該事業用自動車の適切な運転方法を理解させます。

6.ドライブレコーダーの記録を利用した運転特性の把握と是正

貸切バスの運転者にあっては、⑦の安全運転の実技を実施した時のドライブレコーダーの記録により運転者に自身の運転特性を把握させた上で、必要に応じて是正のために必要な指導を行います。

【初任運転者教育】バス運行管理者のためのドラレコ教育マニュアル

【初任運転者教育】バス運行管理者のためのドラレコ教育マニュアル

バス運行管理者に向けた「ドライブレコーダーの記録を利用した運転特性の把握と是正」を現場で進めるための指導ガイドです。

資料ダウンロード(無料)はこちら

7.安全運転の実技

実際に運行する可能性のある経路(高速道路、坂道、隘路、市街地等)において、道路、交通及び旅客の状況並びに時間帯を踏まえ、当該運転者が実際に運転する事業用自動車と同一の車種区分の自動車を運転させ、安全な運転方法を添乗等(貸切バスの運転者にあっては、添乗)により指導します。

出展:旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針

よくある勘違い:実車を用いた指導

貸切バスの運転者は上記①~⑥について合計10時間以上の研修が義務付けられています。 一般的に①~⑥は座学指導、⑦は実技指導と認識されていますが②と④の一部については「貸切バスの運転者にあっては、当該運転者が実際に運転する事業用自動車と同一の車種区分の自動車を用いて指導する」と定められており、実車を用いた指導を行わなければなりません。

【初任運転者教育】バス運行管理者のためのドラレコ教育マニュアル

-座学研修-実車を用いた指導参考テキスト(バス)

グッドラーニング!オリジナルの「実車を用いた指導」の参考テキストです。バス特有の構造・死角・内輪差などの実地確認から、日常点検・急ブレーキ操作・ドライブレコーダー映像の活用まで、指導者が現場で「すぐに使える」内容を網羅しています。

資料ダウンロード(無料)はこちら

適性診断の受診

過去3年以内に適性診断を受診していない初任運転者は、適性診断(初任)を受診しなければなりません。適性診断では、日常の運転状況を聴取し、事故の未然防止のための運転行動の留意点を指導・助言します。適性診断は運転者として選任する前に受診させます。

初任運転者教育の記録と保存

整列する貸切バス

初任運転者教育を行った旅客自動車運送事業者は、指導及び監督を実施した日時・場所および内容、並びに指導監督を行った者及び受けた者を記録し、かつその記録を営業所において3年間保存しなければなりません。なお、貸切バスの運転者に対して、ドライブレコーダーの記録を利用した指導及び監督を実施した場合にあっては、この記録も含みます。

初任運転者教育の記録は、巡回指導や監査など様々な場面で見落としなく確認されることが多いため、しっかりと保存しておきましょう。

残しておくべき書類等

  1. 指導記録簿
  2. 指導に用いた資料
  3. ドライブレコーダー映像

貸切バスの初任運転者教育はグッドラーニング!

貸切バスの初任運転者教育は、国土交通省が定める「初任運転者に対する特別な指導」に基づいて行われます。効率的に学ぶなら、eラーニングシステム「グッドラーニング!」がおすすめです。初任運転者への特別な指導における実施時間・10時間のうちに必要な実車を用いた指導(②と④の一部)も、グッドラーニング!オリジナル教材で徹底サポートできます。

最新の法令に対応した教材で、スマホやPCからいつでも受講可能。進捗管理や指導記録簿も自動作成でき、管理者の負担を軽減します。毎年リニューアルされる教材は、CGやドラレコ映像を活用し、飽きずに分かりやすく学べます。これにより、初任運転者の安全運転に必要な知識と技能を効率よく身に付けられますよ。

バス初任運転者講習

まとめ

ドライバー

貸切バスの初任運転者教育は、旅客の命を預かるドライバーに不可欠な研修制度です。座学と実技を組み合わせ、安全運転・車両特性の理解・旅客対応などを体系的に習得することで、事故防止と安心運行につながります。教育の記録は巡回指導や監査で必ず確認されるため、適切な保存が重要です。法令に基づき計画的に教育を実施し、安全で信頼される貸切バス運行を実現しましょう。

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