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貸切バス編!改善基準告示をさくっと解説(2024年4月改正)

バス安全教育

貸切バス編!改善基準告示をさくっと解説(2024年4月改正)

貸切バスドライバー必見!改善基準告示の改正ポイントをサクッと解説!2024年4月1日、自動車運転者の労働時間に関する「改善基準告示」が改正されました。貸切ドライバーの働き方に関わるもので、事業者はもちろん、ドライバー本人も内容をしっかり把握しておく必要があります。今回は特に改正された箇所のみをピックアップして解説します!

  1. バス運転手の改善基準告示とは
    1. 対象者は?
  2. ポイント①拘束時間の限度(1日)
  3. ポイント②拘束時間の限度(1週間)
  4. ポイント③拘束時間の限度(1ヶ月)
  5. ポイント④休息期間
  6. ポイント⑤連続運転時間
  7. 特例①分割休息
  8. 特例②2人乗務
  9. 特例③隔日勤務
  10. 特例④フェリーに乗船する場合
  11. 例外的な取り扱い
  12. 改善基準告示を動画で復習しましょう!
  13. まとめ

バス運転手の改善基準告示とは

バス運転手の改善基準告知を説明する教官

改善基準告示とは「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(厚生労働大臣告示)のことを指します。自動車運転者の長時間労働を防ぐことは、労働者自身の健康確保だけではなく、国民の安全確保の観点からも重要です。バスをはじめ、トラックやハイヤー、タクシーなどの自動車運転者について、労働時間等の労働条件の向上を図るため、拘束時間の上限・休息期間についての基準が設けられています。

改善基準告示は平成9年以降改正はありませんでした。しかし、令和4年12月に自動車運転者の健康確保等の見直しが行われ、拘束時間の上限や休息期間等が改正され、2025年4月1日に施行されました。

対象者は?

改善基準告示の対象者は、労働基準法の労働者のうち、主に四輪以上の自動車の運転業務に従事している者です。改善基準告示が適用されるバス運転者は、旅客自動車運送業に従事するバス運転者に限らず、旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者であって、主に人の輸送を目的とする自動車の運転の業務に従事する者も含みます。

すなわち、労働基準法上の労働者に該当する場合には、営業用だけではなく自家用バス・自家用普通乗用車(白ナンバー)で人を輸送する運転者にも、バス運転者に関する改善基準告示が適用されるのです。

なお「自動車運転の業務に主として従事する」とは、個別の事案の実態に応じて判断されますが、物品または人を運搬するために自動車を運転する時間が、現に労働時間の半分を超えており、かつ、当該業務に従事する時間が年間総労働時間の半分を超えることが見込まれる場合を指します。

参考:https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/pdf/ltxt-bus.pdf

ポイント①拘束時間の限度(1日)

1日の拘束時間の変更点

1日の拘束時間について、改正前は原則13時間以内、上限16時間以内で、週2回まで16時間を超えることができました。しかし改正後の一日の拘束時間は13時間以内とし、これを延長する場合の上限は15時間です。13時間を超えて延長する場合、14時間を超える回数をできるだけ少なくするように努めなければなりません。回数は1週について3回までが目安です。14時間を超える日が連続するのは避けましょう。

ポイント②拘束時間の限度(1週間)

1週間の拘束時間の変更点

4週間を平均した、1週間あたりの拘束時間は原則として65時間以内でなければなりません。ただし、以下に該当する場合は例外として、労使協定により、52週間のうち24週間までは、4週間を平均した1週間あたりの拘束時間を68時間まで延長できます。

■例外

  • 貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者
  • 乗合バスに乗務する者
  •  (一時的な需要に応じて追加的に自動車の運行を行う営業所において運転の業務に従事する者に限る。)
  • 高速バスに乗務する者
  • 貸切バスに乗務する者

ポイント③拘束時間の限度(1ヶ月)

1ヶ月の拘束時間の変更点

原則、1ヶ月の拘束時間は281時間以内までです。なお、下記に該当する場合は例外として、労使協定により、1年のうち6ヶ月までは、1年の総拘束時間が3,400時間を超えない範囲内において、1ヶ月の拘束時間を294時間まで延長できます。

■例外

  • 貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者
  • 乗合バスに乗務する者  (一時的な需要に応じて追加的に自動車の運行を行う営業所において運転の業務に従事する者に限る。)
  • 高速バスに乗務する者
  • 貸切バスに乗務する者

ポイント④休息期間

1日の休息期間は、勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回ってはいけません。特に貸切バス運転手の場合は、運行の中継地や目的地において休息期間を過ごすこともあります。しかし休息期間の配分においては貸切バスの運転手の疲労蓄積を防ぐ概念から、当該者の住所地における休息期間が、それ以外の場所における休息期間よりも長く確保されるよう努めなければなりません。

ポイント⑤連続運転時間

原則、連続運転時間は4時間以内です。運転開始後、4時間以内または4時間経過直後に、30分以上運転を中断し、休憩等を確保しなければなりません。運転の中断は、1回が連続10分以上とした上で分割も可能です。

特例①分割休息

業務上、勤務終了後継続した9時間以上の休息期間を与えられない場合は、当分の間、一定期間(1か月を限度とする)における全勤務回数の2分の1の回数を限度に、休息期間を拘束時間の途中および拘束時間の経過直後に分割して与えることができます。この場合、分割された休息期間は、1日において1回あたり継続4時間以上、合計11時間以上でなければなりません。

特例②2人乗務

2人乗務の最大拘束時間と休息期間

2人乗務の場合は①運転者のための専用の座席として、身体を伸ばして休息できること②運転連続時間(4時間)と1日の運転時間(9時間)は遵守することを満たしていれば、最大拘束時間を19時間まで延長・休息期間を5時間まで短縮できます。

2人乗務の最大拘束時間と休息期間

また、①車両内にベッドが設けられており、②運転者のための専用の座席として、身体を伸ばして休息できるリクライニング方式の座席が、少なくとも1座席以上確保されたうえで、カーテンなどで他の乗客から見えられないようにしてある場合、そして③連続運転時間(4時間)と1日の運転時間(9時間)を遵守していれば、最大拘束時間を20時間まで延長・休息時間を4時間まで短縮できます。

特例③隔日勤務

原則、業務の必要やむを得ない場合には、当分の間2暦日の拘束時間が21時間を超えず、かつ勤務終了後、継続20時間以上の休息期間を与える場合に限り、バス運転者を隔日勤務に就かせることが可能です。

なお、例外として事業場内仮眠、または使用者が確保した同種の施設において、夜間に4時間以上の仮眠を与える場合には、2週について3回を限度に、この2暦日の拘束時間を24時間まで延長できます。2週における総拘束時間は126時間(21時間×6勤務)を超えてはいけません。

特例④フェリーに乗船する場合

原則、フェリー乗船中は休息期間とされています。

  • バス運転者が勤務の中途においてフェリーに乗船する場合、フェリーに乗船している時間は、原則として、休息期間として取り扱います。
  • その場合、休息期間とされた時間を与えるべき休息期間の時間から減ずることができます。ただし、減算後の休息期間は、2人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間の2分の1を下回ってはなりません。
  • なお、フェリーの乗船時間が9時間(※)を超える場合には、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始されます。
    ※2人乗務の場合には5時間(2人乗務の例外が適用されている場合には4時間、隔日勤務の場合には20時間

出典:バス運転者の労働時間等の改善基準のポイント

なお、フェリーに乗船している時間であっても、労働時間が発生した場合は拘束時間として取り扱わなければならないので注意しましょう。

例外的な取り扱い

予期し得ない事象に遭遇し、一定の遅延が発生し客観的な記録が認められれば、その対応に要した時間を除くことができます。具体的な事由は以下です。

  • 運転中の車両が故障した場合
  • 乗船予定のフェリーが欠航になった場合
  • 災害や事故で道路が渋滞や通行止めになった場合
  • 異常気象などによる警報発表時に正常な運転ができなくなった場合 など

また、予期し得ない事象に遭遇し運行が遅延した場合は、1日の拘束時間、運転時間(2日平均)、連続運転時間からその対応時間を除くことができます。

改善基準告示を動画で復習しましょう!

改善基準告示の改正内容について「なんとなくは分かっているけど、具体的な数字までは覚えきれない…」という方も多いのではないでしょうか。そんな時に便利なのが、グッドラーニング!チャンネルです。

このチャンネルでは、元運行管理者が改正されたポイントだけを厳選して、シンプルかつ丁寧に解説しています。「忙しくて勉強の時間が取れない」「効率よく覚えたい」という方にも最適な内容です。スキマ時間を活用して、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

貸切バスの運転手

2024年4月1日に改正された「改善基準告示」は、貸切バスドライバーの働き方だけでなく、安全面にも深く関わる重要なルールです。運転者の労働時間を明確にすることで、業界全体の環境改善が期待されています。

ただし、改正内容には大きな変更点も多く、一度で覚えるのはなかなか難しいのが現実ですよね。そのようなときに役立つのがeラーニングの活用です。

「グッドラーニング!」なら時間や場所に縛られず、自分のペースで必要な知識を学べます。教育コストの削減や、担当者の負担軽減にもつながるため、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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