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【貸切バス】巡回指導の対策とチェック項目・必要書類を解説!
事業用バス安全教育

原則年に1回実施される巡回指導は、バスの安全において非常に重要です。巡回指導においては、事業計画や帳票類の整備、報告など合計10項目がチェックされます。巡回指導で行政処分が行われることはありません。しかし、巡回指導の結果によっては運輸支局により監査があり、その結果行政処分になることもあります。巡回指導のチェック項目と必要書類をしっかり理解し対策しましょう。
- 貸切バスの巡回指導とは?
- 巡回指導で引っかかりやすい内容
- 巡回指導でどこをチェックされる?必要書類は?
- 巡回指導における評価基準
- 巡回指導における行政処分
- 巡回指導の対策
- 安全教育なら「グッドラーニング!」
- まとめ
貸切バスの巡回指導とは?

貸切バスの巡回指導は、一般貸切旅客自動車運送適正化機関が行う指導を指します。悪質業車の国への通報や事業者の法令遵守状況の継続的な確認を行うことで、業界の自主的な改善促進が目的です。貸切バス事業における事故防止を徹底し、バス業界全体の安全意識を向上させるためには不可欠な存在となっています。
貸切バスの巡回指導は、原則年1回です。通常は実施の2週間ほど前に実施通知が届きます。「巡回指導」はあくまで指導ですので、適正化事業指導員が行政処分を下すことはありません。しかし巡回指導の結果により運輸支局による監査が行われ、その結果行政処分が下されることはあるので注意しましょう。適正化事業指導員は基本的に事業者の味方です。運営している上で何か疑問などがあれば適切なアドバイスをもらえるので、質問があればすぐに聞いてみてください。
巡回指導で引っかかりやすい内容
貸切バスの巡回指導で引っかかりやすい内容には以下があります。
- 運行指示書の作成/指示/携行/保存
- 運転者に対する指導監督の実施/記録/保存
- 特定の運転者に対する特別な指導
- 乗務員台帳の作成/保存
- 運送引受書の作成/交付/保存
- 点呼の実施及び記録/保存
- 運行管理規程
- 乗務等(運転日報)の記録/保存
これらは上から順に違反数が多い項目となっています。巡回指導の通知が来たら、まずはしっかりとこれらを見直しましょう。
巡回指導でどこをチェックされる?必要書類は?

ここでは、貸切バスの巡回指導においてチェックされる項目や必要書類をご紹介します。巡回指導は10区分46項目あるので、漏れがないようしっかりと確認しましょう。
①事業計画等
1つ目の「事業計画等」では、以下の項目がチェックされます。
- 主たる事務所及び営業所の名称、位置に変更はないか。
- 営業所に配置する事業用自動車の種別及び数に変更はないか。
- 自動車車庫の位置及び収容能力に変更はないか。
- 乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か。
- 乗務員の休憩・睡眠施設の保守、管理は適正か。届出事項に変更はないか。(役員・社員、特定事業者に係る運送の需要者の名称変更等)
- 名義貸し、事業の貸渡し等はないか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 登記簿謄本等
- 一般貸切旅客自動車運送事業経営許可申請書
- 事業計画変更事前認可申請書
- 事業計画変更認可事前届出書
- 事業計画変更事後届出書
- 役員変更届出書
②帳票類の整備、報告等
2つ目の「帳票類の整備、報告等」では、以下の項目がチェックされます。
- 事故記録が適正に記録され、保存(3年間)されているか。
- 自動車事故報告書を提出しているか。
- 乗務員等台帳が適正に記入等され、保存(3年間)されているか。
- 車両台帳及び車検証写し(自動車検査証記録事項)を適正に保管しているか。
- 事業報告書及び輸送実績報告書を提出しているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 事故記録簿
- 自動車事故報告書
- 乗務員台帳
- 車両台帳及び車検証の写し
- 事業報告書・輸送実績報告書
③運行管理等
3つ目の「運行管理等」では、以下の項目がチェックされます。
- 運行管理規程が定められているか。
- 運行管理者を選任し届出しているか。
- 運行管理補助者を選任し届出しているか。
- 運行管理者に所定の講習を受けさせているか。
- 事業計画に従い、必要な運転者を確保しているか。
- 点呼の実施及びその記録、保存は適正か。
- 点呼の際にアルコール検知器を使用しているか、電源(毎日)、検知(毎週)は正常か。
- 乗務等の記録(運転日報)の作成・保存(3年間)は適正か。
- 運行記録計による記録及びその保存(3年間)・活用は適正か。
- 運行指示書の作成、指示、携行、保存(運行終了日から3年間)は適正か。
- 乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。
- 特定の運転者に対して特別な指導を行っているか。
- 特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか。
- 乗務員等の服務規程(規律)を制定しているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 運行管理規程
- 運行管理選任・解任届
- 運行管理資格者証
- 運行管理者講習手帳
- 運転日報
- 運行指示書
- 運行記録計による記録(タコメーター等)
- 点呼記録簿
- 運転者への指導教育計画表・記録簿
④運送引受書及び営業区域・運賃
4つ目の「運送引受書及び営業区域・運賃」では、以下の項目がチェックされます。
- 運送引受書の作成、交付、保存(運行終了から3年間)は適切か。
- 営業区域を遵守しているか。
- 届出済み運賃を適正に収受しているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 運送引受書及び当該運行に係る運行指示書
- 運送申込書及び契約書の写し
- 運賃・料金届出書
- 会計帳簿又は領収証(写し)、請求書(写し)、振込書等(運賃又は料金関係)
⑤車両管理等
5つ目の「車両管理等」では、以下の項目がチェックされます。
- 整備管理規程が定められているか。
- 整備管理者が選任され、届出されているか。
- 整備管理者に所定の研修を受けさせているか。
- 日常点検基準を作成し、これに基づき点検を適正に行っているか。
- 定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存(1年間)されているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 整備(車両)管理規程
- 整備管理者選任・解任届
- 整備管理者資格者証
- 整備管理者研修手帳
- 日常点検基準
- 日常点検表
- 定期点検基準
- 定期点検整備実施計画表
- 点検整備記録簿(3ヶ月、12ヶ月)
⑥労働基準法等
6つ目の「労働基準法等」では、以下の項目がチェックされます。
- 就業規則が制定され、届出されているか。
- 36協定が締結され、届出されているか。労働時間、休日労働について違法性はないか。
- 所要の健康診断を実施し、その記録・保存(5年間)が適正にされているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 就業規則
- 36協定書
- 出勤簿
- 健康診断結果
⑦保険加入及び社会保険加入等
7つ目の「保険加入及び社会保険加入等」では、以下の項目がチェックされます。
- 賠償責任保険等に加入しているか。
- 労災保険・雇用保険、健康保険及び厚生年金保険に加入しているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 労災・雇用保険加入台帳
- 健保・厚生年金加入台帳
- 賃金(給与)台帳
⑧苦情処理
8つ目の「苦情処理」では、以下の項目がチェックされます。
- 苦情の受付、弁明をしているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 苦情記録簿
⑨運輸安全マネジメント
9つ目の「運輸安全マネジメント」では、以下の項目がチェックされます。
- 安全管理規程を制定し届出しているか。
- 安全統括管理者を選任し届出しているか。
- 輸送の安全にかかわる情報を公表(ホームページ、営業所)し国への報告をしているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 運輸安全マネジメントに関する公表資料
- 安全管理規程
- 安全統括管理者選任届出書
- 安全管理規程設定届出書
- 組織・災害緊急連絡体制図
⑩その他
10つ目の「その他」では、以下の項目がチェックされます。
- 運賃、料金及び運送約款を営業所に掲示するとともに、ウェブサイトに掲載しているか。
- 「事業者名」「貸切」を車体に表示しているか。
- 車内に事業者氏名・名称、登録番号、禁煙表示が見やすいところに表示されているか、応 急用器具等の備付けは適正か。
確認される帳票類はありません。
巡回指導における評価基準
各指導項目は「適」か「否」で評価されます。その後、総項目数に対する「適」の割合で総合評価A~Eの5段階で評価される仕組みです。
「適」の割合 | 評価 |
---|---|
90%以上 | A |
70~90%未満 | B |
50~70%未満 | C |
20~50%未満 | D |
20%未満(または、手数料等が届出の下限を下回っている事業者) | E |
巡回指導では、常にA以上を目指しましょう。DやE評価になると事業を適正に行っていないとみなされ、監査の対象になる可能性があります。少なくともC以上の評価を得られるようにしておくと安心です。
現在、各事業所の評価結果は、巡回指導の傾向や全国的な標準化を図る目的で非公表とされています。しかし、今後この評価の公表が検討されているようです。
参考:一般貸切旅客自動車運送適正化機関の巡回指導方針について|公益社団法人広島県バス協会
巡回指導における行政処分
巡回指導はあくまで指導だけにとどまります。適正化事業指導員に行政処分を下す権限はないので、巡回指導で行政処分にはなりません。
しかし、巡回指導の結果により運輸支局による監査が行われ、その結果行政処分が下される可能性はあります。巡回指導を甘く見ず、やったふりではなく正しい対策を行いましょう。
★運輸局に報告されるケース
①正当な理由なく巡回指導を拒否した
②運行管理者が不在(選任なし)
③全ての運転者が健康診断を受診していない
④運転者に対する安全教育などが全く実施されていない
⑤整備管理者が不在(選任なし)で、事業用自動車の定期点検整備も実施していない
巡回指導の対策

バスの巡回指導は、トラックと違って非常に厳しいです。トラックの巡回指導は文字通り「指導」ですが、日本バス協会や民間の適正化センターは、エリアによるものの「粗探し」に近い改善指導をする場合もあります。
また、監査や巡回指導において「指導監督の実施状況」が重点的にチェックされるようになったのは、2022年10月に富士山観光帰りのバスが横転し29人の死傷者を出してしまった事故も影響しています。この事故により「ドライバーへの安全教育不足」が浮き彫りになったのです。
本文中においては、
適正化事業指導員は基本的に事業者の味方です。運営している上で何か疑問などが適切なアドバイスをもらえるので、質問があればすぐに聞いてみてください
とあるものの、実際これに該当するのはほとんどトラック業界です。バス事業者が巡回指導を上記のように捉えているのは非常に稀で、むしろ貸切バスの巡回指導は、国土交通省の運輸局や運輸支局が行う監査よりも厳しいのが現状と言えます。貸切バスは貨物とは違い「旅客」です。そのため、巡回指導だけではなく、監査やバス会社の安全教育も高いレベルで実施されています。
なお、バス事業者は年に1回必ず巡回指導を受けるため、トラック事業者のように「安全教育が義務であることを知らない」「義務と知っているけどやらない、やっていない」と言ったことはありません。巡回指導の度に細かく指導が行われるため、対策方法が分からなかったり、記録の不備や抜け、漏れがあることはないのです。
バスの指導内容については、国土交通省が出しているマニュアルでの指導となります。トラック協会が作成した全10巻ある、充実した教材集で指導するトラックと比べると、指導の難しさが挙げられるのも現状です。加えて、バスの指導は毎年国交省のマニュアルを読み合わせるだけなので、指導する側もされる側も飽き飽きすると言った声も挙がっています。バス事業者の中には、マニュアルに沿わない自社流の指導を行っているケースもあるようです。
このことからも分かる通り、バス事業者による安全教育は、トラック事業者と比べると非常に大変なのが分かりますよね。
貸切バスには、抜き打ちで監査が行われる「街頭監査」もあり、これは対象がバス事業者ではなくドライバーなので、結果によっては本監査に繋がってしまう場合もあります。バスは巡回指導だけではなく本監査も厳しいため「やったフリ」をしてもすぐに発覚します。
また、バスの初任運転者教育はトラックよりも短い「座学10時間」ではあるものの、対象は「新たに雇い入れた乗務員全員」となるため、事業者の負担は非常に重いです。座学10時間の中には「実車を用いた指導」という項目もありますが、この研修方法が分からなかったり、記録の残し方が分からなかったりと言った声も多く挙げられます。
安全教育なら「グッドラーニング!」

貸切バスの事業者は、国土交通省で定められている「一般的な指導及び監督」に基づき、運転者に対する指導および監督の実施が義務付けられています。原則年1回行われる巡回指導では、乗務員への指導教育の年間計画表と、事務所に掲示する必要がある指導記録簿、そして教育に用いた教材などがチェックされます。
「グッドラーニング!」は、運転者に対する指導監督の実施や記録、保存を行えるeラーニング教材です。初任運転者講習のように、特定の運転者に対する特別な指導にも特化しています。巡回指導の違反に引っかかりやすい項目でも、しっかりとした対策が行えるのです。
また、全てのドライバー・乗務員に対して時間と場所を選ばずに効率よく指導教育ができます。待機時間を利用しての受講も可能で、クラウド型の教育システムのため、タブレットやスマホ、パソコンなどを使って場所を選ばずに受講できるのが特徴です。管理用サイトがあるため、受講者ごとの受講状況やテスト結果も、レポートで確認できるので管理の手間もありません。
ドライバーに対する安全教育を効率よく行いたい事業者様は、ぜひeラーニングをご検討ください。
まとめ

バスの安全管理において、原則として年に1回行われる巡回指導は非常に重要な役割を果たします。巡回指導では、事業計画や帳簿類の整備状況、報告書の提出など合計10項目が確認されるため、事前の準備が必要不可欠です。巡回指導において行政処分は行われませんが、その結果次第で運輸支局から監査が入ることもあり、その監査結果によっては行政処分が科される場合もあります。巡回指導のチェック項目や必要書類について十分に理解し、適切な対応を行いましょう。
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