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トラック協会の巡回指導が来る!対策やチェック項目を解説
事業用トラック安全教育

トラック協会の巡回指導はもう済みましたか?37個の指導項目を元に行われる巡回指導は、5段階評価で判定されます。これで低評価になってしまうと、行政処分にもつながってしまう可能性もあるのです。今回は、トラック協会の巡回指導が来る前に確認しておきたい、対策やチェック項目を詳しく解説します。
似ているけど違う!巡回指導と監査の違い

そもそも巡回指導と監査の違いをご存じでしょうか。巡回指導は、トラック協会の適正化事業機関が行うものです。一方、監査は運輸支局の監査担当が行います。
巡回指導と監査の最も大きな違いは、実施された後にどのくらい行政処分になるかの確率です。
巡回指導は37個の指導項目を元に行われます。実施状況により「A~E」の5段階評価で、DまたはE評価をつけられた時に監査の対象となるのです。ただ、実態がなければD・E評価にならないため、巡回指導で行政処分になる確率はほぼ0%と言えます。例え未実施事項が発見されても、是正したものを適正化事業実施委員会に郵送またはFAXで報告すれば、行政処分にはなりません。
一方運輸支局の監査、特に特別監査の場合、実施されれば行政処分になる確率はほぼ100%です。未実施事項が発見されると、行政処分になることは免れません。
巡回指導 | 監査 | |
---|---|---|
実施機関 | 適正化実施機関 | 運輸支局 |
実施時期・間隔 | 2年に1回程度(評価による) | 不定期 |
事前通知 | あり(2~3週間前) | 原則なし |
行政処分の有無 | 直接的には行われない (端緒にはなり得る) |
可能性あり |
巡回指導でチェックされる7区分38項目

ここでは、巡回指導でチェックされる「7区分38項目」をご紹介します。なお、赤文字で記載している9項目は重要項目ですので特に見直しが必要です。9項目の中に1つでも「否」がある場合、後述する総合評価(A~E)が1段階下がってしまいます。
①事業計画等
1つ目の「事業計画等」では、以下の項目がチェックされます。
- 主たる事務所及び営業所の名称、位置に変更はないか。
- 営業所に配置する事業用自動車の種別及び数に変更はないか。
- 自動車車庫の位置及び収容能力に変更はないか。
- 乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か。
- 乗務員の休憩・睡眠施設の保守、管理は適正か。届出事項に変更はないか。(役員・社員、特定事業者に係る運送の需要者の名称変更等)
- 自家用貨物自動車の違法な営業類似行為(白トラの利用等)はないか。
- 名義貸し、事業の貸渡し等はないか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 登記簿謄本等
- 一般貨物自動車運送事業経営許可申請書
- 事業計画変更事前認可申請書
- 事業計画変更認可事前届出書
- 事業計画変更事後届出書
- 役員変更届出書
下記が主なチェックポイントとなりますので、しっかりと見直しましょう。
- 許可申請書や届出書に記載されている内容と現状に相違はないか
- 車両台帳に記載されている車両以外の車両が使用されていないか
- 自家用トラックが運送事業に関わっていないか
- 運行管理や車両管理が適切に行われているか
②帳票類の整備、報告等
2つ目の「帳票類の整備、報告等」では、以下の項目がチェックされます。
- 事故記録が適正に記録され、保存されているか。
- 自動車事故報告書を提出しているか。
- 運転者台帳が適正に記入等され、保存されているか。
- 車両台帳が整備され、適正に記入等がされているか。
- 事業報告書及び事業実績報告書を提出しているか。(本社巡回に限る。)
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 事故記録簿
- 自動車事故報告書
- 運転者台帳
- 車両台帳
- 事業報告書・事業実績報告書
下記が主なチェックポイントとなりますので、しっかりと見直しましょう。
- 各書類に必要事項が記載されており、かつ営業所に備え付けられているか
- 報告が必要な事故を起こした場合、事故発生から30日いないに自動車事故報告書を提出しているか
- 事業報告書が毎事業年度終了後100日以内に提出されているか
- 事業実績報告書が、毎年7月10日までに提出されているか
③運行管理等
3つ目の「運行管理等」では、以下の項目がチェックされます。なお、赤文字で記載している9項目は重要項目ですので特に見直しが必要です。
- 運行管理規程が定められているか。
- 運行管理者が選任され、届出されているか。
- 運行管理者に所定の講習を受けさせているか。
- 事業計画に従い、必要な運転者を確保しているか。
- 過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、休憩時間、睡眠のための時間が適正に管理されているか。
- 過積載による運送を行っていないか。
- 点呼の実施及びその記録、保存は適正か。
- 乗務等の記録(運転日報)の作成・保存は適正か。
- 運行記録計による記録及びその保存・活用は適正か。
- 運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か。
- 乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。
- 特定の運転者に対して特別な指導を行っているか。
- 特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 運行管理規程
- 運行管理選任・解任届
- 運行管理資格者証
- 運行管理者講習手帳
- 運転日報
- 運行指示書
- 運行計画及び勤務割当表
- 運行記録計による記録(タコメーター等)
- 乗務実績一覧表(拘束時間管理表)
- 点呼記録簿・点呼執行要領
- 運転者への指導教育計画表・記録簿
- 適性診断受診結果表
- 運転記録証明書
- 無事故無違反証明書
下記が主なチェックポイントとなりますので、しっかりと見直しましょう。
- 自動車の数や運転に付帯する業務等に応じた員数の運転者を選任しているか
- 運行管理者が選任され届出しているか
- 運行管理者に所定の講習を受けさせているか
- 労働時間基準告示に則した勤務割表が作成されているか
- 労働時間は改善基準告示に違反していないか
- 乗務前・乗務後に対面での点呼が行われているか
- 乗務前・乗務後何も対面で点呼できない場合は、当該点呼のほか、乗務途中に電話等で中間点呼が行われているか
- 乗務記録に必要事項が記録されているか
- 総重量7t以上または最大積載量4t以上の自動車及びこれらに該当するトレーラーをけん引するトラクターに運行記録計が装備されているか
- 乗務監督指針に基づき、一般的な指導監督の内容が計画的かつ継続的に実施され、その記録が残っているか
④車両管理等
4つ目の「車両管理等」では、以下の項目がチェックされます。こちらも、赤文字で記載している9項目は重要項目ですので特に見直しが必要です。
- 整備管理規程が定められているか。
- 整備管理者が選任され、届出されているか。
- 整備管理者に所定の研修を受けさせているか。
- 日常点検基準を作成し、これに基づき点検を適正に行っているか。
- 定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存されているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 整備(車両)管理規程
- 整備管理者選任・解任届
- 整備管理者資格者証
- 整備管理者研修手帳
- 日常点検基準
- 日常点検表
- 定期点検基準
- 定期点検整備実施計画表
- 点検整備記録簿(3ヶ月、12ヶ月)
下記が主なチェックポイントとなりますので、しっかりと見直しましょう。
- 整備管理者の選任・解任・変更があった場合は、届出が適正にされているか
- 整備管理者が選任され、届出されているか
- 整備管理者に所定の研修を受けさせているか
- 点検基準に基づき、1日1回・運行前に日常点検を実施しているか
- 点検基準に基づき、3ヶ月および12ヶ月毎の定期点検整備を実施しているか
⑤労働基準法等
5つ目の「労働基準法等」では、以下の項目がチェックされます。赤文字で記載している9項目は重要項目ですので特に見直しが必要です。
- 就業規則が制定され、届出されているか。
- 36協定が締結され、届出されているか。労働時間、休日労働について違法性はないか。(運転時間を除く)
- 所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 就業規則
- 36協定書
- 出勤簿
- 健康診断結果
下記が主なチェックポイントとなりますので、しっかりと見直しましょう。
- 「36協定」は更新し届出されているか
- 所定労働時間/時間外労働/休日労働等が労働基準法や改善基準告示、就業規則等に従った適正な就労状況になっているか
- 雇入時の健康診断や定期健康診断(年に1回)を受診させているか
⑥法定福利費
6つ目の「法定福利費」では、以下の項目がチェックされます。
- 労災保険・雇用保険に加入しているか。
- 健康保険・厚生年金保険に加入しているか。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 労災・雇用保険加入台帳
- 健保・厚生年金加入台帳
- 賃金(給与)台帳
下記が主なチェックポイントとなりますので、しっかりと見直しましょう。
- 加入対象者全員が雇用保険に加入しているか
- 加入対象者全員が健康保険・厚生年金保険に加入しているか
⑦運輸安全マネジメント
7つ目の「法定福利費」では、以下の項目がチェックされます。
- 運輸安全マネジメントの実施は適正か。
また、確認される主な帳票類は以下です。
- 運輸安全マネジメントに関する公表資料
- 以下は200両以上所有している事業者のみ該当
- 安全管理規程
- 安全統括管理責任者選任届出書
- 安全管理規程設定届出書
下記が主なチェックポイントとなりますので、しっかりと見直しましょう。
- 事業年度毎に以下事項が設計・作成されているか
(1)輸送の安全に関する基本的方針
(2)輸送の安全に関する目標
(3)目標達成のための計画 - 安全情報が公表されているか
- 輸送の安全に関する行政処分を受けた場合は、以下の事項を遅滞なく公表しているか
(1)当該処分の内容
(2)当該処分に基づき講じる改善内容等 - 以下は200両以上所有している事業者のみ該当
- 安全管理規程が届出されているか
- 安全統括管理者が選任されているか
巡回指導における評価の判定方式

ここでは、巡回指導における評価の判定方式をご紹介します。Cがいわゆる「普通」ラインとなりますので、巡回指導においてはD・Eと判定されないようにしましょう。指摘判定事項がいくつまでならギリギリ判定をクリアできるのでしょうか?
巡回指導におけるチェック項目は、7区分38項目です。それぞれのチェック項目で適否を判断し「適」の割合によりA~Eの5段階で判定されます。
「適」の割合 | 評価 |
---|---|
90%以上(適35以上) | A(大変良い) |
80~90%未満(適31以上) | B(良い) |
70~80%未満(適27以上) | C(普通) |
60~70%未満(適23以上) | D(悪い) |
60%未満 (適22以下) | E(大変悪い) |
重点項目となっている9項目中に、1つでも「否」がある場合、上表で決定された評価を1段階下げてしまうことになります。(「否」が2つ以上でも引き下げは1段階のみ)全てのチェック項目で「否」を取らないことも大切です。しかし、それ以上に重点項目の9項目中で「否」を取らないようにすることが重要とも言えます。
DやEの評価を受けると・・・
令和5年4月1日より、トラック協会巡回指導でDまたはE評価を受けた事業者には、半年毎の巡回指導が入るようになりました。DまたはE評価が3回続く場合、運輸支局監査からの行政処分対象となってしまうので、低い評価を受けないように注意しましょう。
トラック事業者は、C以上の評価を受けられるようにコンプライアンス(法令順守)体制を構築することが必要です。
巡回指導で引っかかるポイント
指導監督におけるトラック事業者には、以下のような実情があります。
「年間教育(法定12項目)」においては、
(1)年間教育の実施方法が分からず、何が正しくて何が駄目なのかが不明
そもそも実施の仕方が分からないため、内容の不備や内容が不十分になってしまうケースです。この場合トラック事業者は、ドライバーに対して口頭で内容を伝えるだけになってしまっていたり、資料を配布して各自で読んでおくよう指示したりなど、簡単な指導になってしまっています。
年間教育は、集合研修だったり指導主任者が対面で行わなければならないといった要件定義はありません。しかし「国交省の指導監督指針に則った内容を網羅していること」「乗務員の理解度を事業者側が正しく把握し、理解が足りない箇所について適切な指導を行うこと」が最低条件となっています。
(2)そもそも年間教育を実施していない
中小トラック事業者のほとんどが、いわゆる「やったふり」をしてしまっているのが現状です。忙しくて教育を実施できなかったり、そもそもやり方が分からない、指導主任者がいない、どうせ監査は来ないと思っていたり、やったふりで終わらせてしまう事業者もいます。もしくは、書類(指導記録簿)を作成しただけで終わってしまっているケースもあるようです。
年間教育の未実施は行政処分となってしまいます。加えて、記録簿を作っただけの「やったふり」は、記録の改ざんや不実記載となるので、さらに重い行政処分となります。年間教育実施内容の説明を促される場合もあるため、巡回指導では指摘されなくても、支局の監査では未実施が判明するのでしっかりと教育を行いましょう。
(3)年間教育を実施したものの、記録(年間教育計画表、指導記録簿、実施した教育資料)が正しく保存されていない
忙しくて実施するのを忘れていた、記録簿の記録事項に不備があった、などの理由が原因で起こるケースです。そもそも安全教育の実施義務を知らない場合、このような抜けにつながります。特にトラック協会に入っていない零細企業や家族経営の事業者は注意が必要です。
運輸支局の監査において、違反事項のワースト1はほぼ指導監督義務違反(初任運転者講習(特別な指導/初任運転者))です。座学15時間という時間の長さから、実施しないトラック事業者が多くなっています。
安全教育なら「グッドラーニング!」


運送業のドライバーは、「貨物自動車輸送安全規則」で定められている「法定12項目」の指導を年間を通して受けることが法律で義務付けられています。また、事務所に掲示が必要な乗務員への指導教育の年間計画表と、指導記録簿、教育に用いた教材等がチェックされるなど、管理者様が確認すべき事項は非常に多いです。とはいえ、日々の業務に追われ、全てのドライバーや乗務員に対して十分な指導ができていない管理者様もいることでしょう。そこでおすすめなのが、eラーニングです。
グッドラーニング!では、巡回指導における重点項目である「乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか」「特定の運転者に対して特別な指導を行っているか(中でも初任運転者教育)」のサポートが可能です。
時間と場所を選ばずに、全てのドライバー・乗務員に対して効率よく指導教育を実施できます。待機時間を利用しての受講も可能で、クラウド型の教育システムのためタブレットやスマホ、パソコンなどを使って場所を選ばずに受講できます。管理用サイトがあるため、受講者ごとの受講状況やテスト結果も、レポートで確認できるので管理の手間もありません。
ドライバーに対する安全教育を効率よく行いたい事業者様は、ぜひeラーニングをご検討ください。
まとめ

2年に1回程度実施される巡回指導は、37個の指導項目を元に5段階で評価されます。普通と言われるCラインより低いD・E評価を受けてしまうと、行政処分に繋がる可能性もあるので、項目をしっかり満たしているか日々意識することが重要です。
トラック協会の巡回指導が来てから慌てないように、前もって対策やチェック項目を理解しておきましょう。
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