Useful Informationお役立ち情報
- 【グッドラーニング!】ホーム
- お役立ち情報
- 検証!グッドラーニング!の動画教材はなぜ「20分」なのか
検証!グッドラーニング!の動画教材はなぜ「20分」なのか
トラックバスタクシー軽貨物安全教育

グッドラーニング!のeラーニング教材は、基本的に1講座あたり約20分で構成されています。この「20分」という長さを、少し長いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
では、なぜ20分なのでしょうか。短い動画に分けたほうが集中しやすく、記憶にも残りやすいのではないか?私たちはこの素朴な疑問を、実際に92名のドライバーのご協力を得て調査・検証しました。その結果は「令和7年日本交通心理学会地区別研究会」にて論文として発表しました。
本コラムではその検証結果をもとに、グッドラーニング!が「なぜ20分の動画を採用しているのか」その理由を、実証データに基づいてご説明します。
- なぜ「動画の長さ」にこだわるのか
- 検証スタート!教材の長さによる違いを徹底比較
- 調査結果①:短い動画は集中しやすい?
- 調査結果②:記憶に残るのは長い動画?
- 統計的にも確認:20分教材は記憶定着に有効だった
- ドライバーが選んだのも「20分動画」だった
- まとめ:なぜグッドラーニング!の動画は20分なのか?
- 今後に向けて
- おわりに
なぜ「動画の長さ」にこだわるのか

コロナ禍以降、集合研修の代替手段として、eラーニングが注目されてきました。さらに、2024年4月には「改善基準告示」の改正により、ドライバーの拘束時間が制限されるようになりました。これにより、教育には「短時間・効率」がこれまで以上に求められる時代へと変化しています。こうした状況を踏まえ、私たちは次の問いを持ちました。
「ドライバーにとって、より記憶に残りやすい教材の長さとは?」
検証スタート!教材の長さによる違いを徹底比較
調査の対象
A県にあるトラック会社に勤務する現役ドライバー92名(男性89名、女性2名、未回答1名)にご協力いただきました。使用教材は、私たちグッドラーニング!が提供している危険予測型の動画講座(約20分)です。
視聴スタイルを4つに分けて比較
ドライバーは無作為に以下の4つのグループに分けられ、それぞれ異なる視聴方法で教材を受講してもらいました。
条件名 | 内容 | 受講人数 |
---|---|---|
分割なし条件 | 20分の動画を1本視聴 | 26名 |
3分割条件 | 約6分40秒×3本で視聴 | 22名 |
6分割条件 | 約3分20秒×6本で視聴 | 21名 |
任意選択条件 | 上記の条件から好きな条件を選択 | 23名 |
視聴後には、理解度テスト(25問)とアンケート(9問)を実施。さらに1週間後、動画を視聴せずに同じテストをもう一度行い、知識の定着を確認しました。なお、すべての動画はスキップできず、最後まで視聴することが必須となっており、視聴後でなければテストに進めない設計としました。
調査結果①:短い動画は集中しやすい?
まずは教材を受講した直後のテスト結果です。
条件 | 平均点(1回目テスト) |
---|---|
分割なし | 63.2点 |
3分割 | 67.3点 |
6分割 | 70.5点 |
任意選択 | 64.0点 |
6分割条件のグループが最も高得点となりました。
また、動画が短くなるほど、瞬間的な理解度は高くなる傾向が見られました。
この結果からは「短い動画のほうが集中しやすく、内容を理解しやすい」という可能性が考えられます。
調査結果②:記憶に残るのは長い動画?
では、1週間後のテストではどうだったでしょうか?
条件 | 平均点(2回目テスト) |
---|---|
分割なし | 71.5点(1回目63.2点) |
3分割 | 70.0点(1回目67.3点) |
6分割 | 68.0点(1回目70.5点) |
任意選択 | 72.7点(1回目64.0点) |
今度は分割なし(20分動画)と任意選択グループが高得点に加え、1回目より高い点数の上昇が見られました。
つまり、長めの動画のほうが記憶に残りやすい、という逆の傾向が見られたのです。なお、任意選択条件の詳細については後述します。
統計的にも確認:20分教材は記憶定着に有効だった
さらに、受講直後と1週間後のスコアの差(=記憶の伸び)を比較したところ:
- 分割なし条件
- 任意選択条件(分割なし条件を選択)
- 全体
この3つで、統計的に有意なスコア上昇(記憶定着)が認められました(p<.05)。つまり、「受講後にそれほど高得点でなくても、一定期間を経てもしっかり記憶に残っている」というのが、20分教材の特長だといえます。
ドライバーが選んだのも「20分動画」だった
任意選択グループ(23名)のうち、19名(82.6%)が「20分の動画1本」を選択。アンケート結果からも、「一度にまとめて終わらせたい」「分割するとかえって面倒だ」という声が多数ありました。また、アンケート結果では、「教材の長さはちょうどよい」と答えた方が最も多く、45.7%を占めました。一方で、「少し長い」と感じた方が33.7%、「長い」と感じた方が16.3%でしたが、「少し短い」「短い」と答えた方は合わせてわずか4.4%にとどまりました。
まとめ:なぜグッドラーニング!の動画は20分なのか?

今回の調査を通じて分かったことは、以下の3点です。
- 短い動画のほうが瞬間的な理解度は高い
- 20分程度の長い動画のほうが記憶には残りやすい
- ドライバー自身も「20分まとめて視聴」を選んでいる
つまり、「20分」という長さは、記憶の定着とドライバーの実感に基づいて設計されていると言えるのです。
今後に向けて
もちろん、動画の長さだけで全てが決まるわけではありません。今回の調査では、視聴する時間帯や、教材への興味関心などによる影響も考えられます。今後は、より精緻な設計と分析を重ね、現場にフィットする最適な教材開発を進めてまいります。
おわりに

グッドラーニング!の教材が「20分」であることには、科学的な視点や実際の検証結果に基づく理由があります。忙しい現場に合わせつつ、確実に記憶に残る教育を届けたい。それが、私たちがグッドラーニング!に込める想いです。グッドラーニング!の教材は一講座20分で設計されていますが、2分割もしくは3分割での受講も可能です。一人ひとりが「最適な状況」で学ぶことこそ記憶定着の最適解なのかもしれません。
参考論文:株式会社キャブステーション中野友晴「ドライバー向けe-ラーニング教材の長さの違いが理解度テストに及ぼす影響」
当社の記事・お知らせに関する注意事項
- 最新の法改正・制度改正が必ずリアルタイムで記事に反映されているわけではありません。
- 情報を掲載するにあたり、事実と相違がないように注意しておりますが、絶対の正確性をお約束しているわけではありません。
- 掲載された情報の利用により何らかの損害が生じたとしても、弊社では一切の責任を負いかねますので、予めご了承ください。