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貸切バスの準初任運転者とは?よくある疑問を解説!

バス初任運転者教育

貸切バスの準初任運転者とは?よくある疑問を解説!

貸切バスの準初任運転者とは?よくある疑問を解説!貸切バスの安全運行を支える重要な仕組みのひとつが「準初任運転者教育」です。しかし、誰が準初任運転者に該当するのか?初任運転者との違いは?と疑問を持つ方も多いはずです。今回は、準初任運転者の定義や教育内容、実施時期や法的根拠をわかりやすく解説します。

  1. 準初任運転者の定義
  2. 初任運転者とはどう違う?
  3. 準初任運転者も初任運転者教育が必要!
    1. 実施タイミング
    2. 準初任運転者への教育内容
    3. 実施時間
    4. 初任運転者教育記録簿の作成・保存も必須!
    5. 準初任運転者教育を怠るとどうなる?
  4. 貸切バスの準初任運転者教育はグッドラーニング!
  5. まとめ

準初任運転者の定義

貸切バス

貸切バスにおける準初任運転者とは、初任運転者以外の者であって、直近1年間に当該一般貸切旅客自動車運送事業者において運転の経験のある貸切バスより、大型の車種区分の貸切バスに乗務しようとする運転者を指します。

例えば、Aさんは2年前に初任運転者教育を受け、小型バスで送迎業務を続けてきました。
最近、観光業務が増えたため大型バスに乗務することになったものの、直近1年間は小型バスしか運転しておらず、大型バスの運転経験が20時間未満です。

この場合、Aさんは「準初任運転者」に該当します。
準初任運転者とは、すでに運転業務の経験があっても、直近1年間に特定の車種(今回は大型バス)の運転経験が20時間未満のドライバーを指します。

そのため、Aさんには新たに大型バスへ乗務する前に「準初任運転者教育」を実施し、安全運転や車両特性について再確認する必要があります。

出典:旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針

初任運転者とはどう違う?

初任運転者とは、以下に該当する者のことです。

  1. 当該旅客自動車運送事業者において事業用自動車の運転者として新たに雇い入れた者
  2. 当該旅客自動車運送事業者において他の種類の事業用自動車の運転者として選任されたことがある者であって当該種類の事業の事業用自動車の運転者として初めて選任される者

準初任運転者とは、すでに運転業務の経験があるものの、直近1年間に対象車種の運転経験が20時間未満のドライバーを指します。

初任運転者とは、当該事業者で新たに雇われた者、または他の種類の事業用自動車を運転した経験があるものの、対象車種では初めて運転者として選任される者のことです。なお、対象車種が初めてであっても、直近1年間の運転経験が20時間未満の場合は「準初任運転者」として扱います。

準初任運転者も初任運転者教育が必要!

運送ドライバー

貸切バスは、たとえ経験があるドライバーでも車種が変わるだけで運転特性やリスクは大きく異なります。そのため、国土交通省の指導及び監督の指針では、準初任運転者にも初任運転者と同様の重要項目を含む教育を必ず実施することを求めています。

ここでは、準初任運転者に必要な教育の実施タイミングと内容について、初任運転者教育と比べながら解説します。

実施タイミング

準初任運転者教育は、直近1年間に当該一般貸切旅客自動車運送事業者において、実技指導を受けた経験を含む運転の経験のある貸切バスより、大型の車種区分の貸切バスに乗務する前に実施しなければなりません。

なお、参考として初任運転者は当該旅客自動車運送事業者において初めて当該事業の事業用自動車の運転者に選任される前に実施する必要があります。

参考:旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針

準初任運転者への教育内容

準初任運転者への教育は、初任運転者に規定する特別な指導内容のうち、少なくとも『初任運転者に対する特別な指導の内容及び時間』における④(制動装置の急な操作に関する内容に限る。)、⑥及び⑦について実施しなければなりません。

『初任運転者に対する特別な指導の内容及び時間』一部抜粋

④ 危険の予測及び回避
道路、交通及び旅客の状況の中に含まれる交通事故につながるおそれのある主な危険を理解させるとともに、それを回避するための運転方法等を指導する。また、貸切バスの運転者にあっては、当該運転者が実際に運転する事業用自動車と同一の車種区分の自動車を用いて、制動装置の急な操作の方法について指導する。

⑥ ドライブレコーダーの記録を利用した運転特性の把握と是正
貸切バスの運転者にあっては、⑦の安全運転の実技を実施した時のドライブレコーダーの記録により運転者に自身の運転特性を把握させた上で、必要に応じて是正のために必要な指導を行う。

⑦安全運転の実技
実際に運行する可能性のある経路(高速道路、坂道、隘路、市街地等)において、道路、交通及び旅客の状況並びに時間帯を踏まえ、当該運転者が実際に運転する事業用自動車と同一の車種区分の自動車を運転させ、安全な運転方法を添乗等(貸切バスの運転者にあっては、添乗)により指導する。

出典:旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針

初任運転者への教育内容と比べると項目は少ないものの、準初任運転者にもしっかりとした教育が必要です。

◼️初任運転者に対する特別な指導の内容及び時間

①事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項
②事業用自動車の構造上の特性と日常点検の方法
③運行の安全及び旅客の安全を確保するために留意すべき事項
④危険の予測及び回避 
⑤安全性の向上を図るための装置を備える貸切バスの適切な運転 方法
⑥ドライブレコーダーの記録を利用した運転特性の把握と是正
⑦安全運転の実技 

出典:旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針

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実施時間

準初任運転者教育の実施時間は、⑦について 20 時間以上、その他については当該一般貸切旅客自動車運送事業者において同様の内容を初任運転者に対して実施する時間(①〜⑥までについて合計10時間以上)と同程度以上の時間としなければなりません。

準初任運転者の座学は④と⑥だけで10時間以上指導できるのであればそれで問題ありません。ただし④と⑥だけで10時間以上の指導は難しいので、最終的には初任運転者と同じタイミングで、④と⑥以外の教育も行うのが一般的です。

◼️初任運転者に対する特別な指導の内容及び時間

①事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項
②事業用自動車の構造上の特性と日常点検の方法
③運行の安全及び旅客の安全を確保するために留意すべき事項
④危険の予測及び回避 
⑤安全性の向上を図るための装置を備える貸切バスの適切な運転 方法
⑥ドライブレコーダーの記録を利用した運転特性の把握と是正
⑦安全運転の実技 

出典:旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針

初任運転者教育記録簿の作成・保存も必須!

初任運転者教育を実施した事業者は、指導を行った日時・場所・内容、指導した担当者、指導を受けた運転者を記録し、これらを営業所で3年間保管する義務があります。また、貸切バス運転者への教育で ドライブレコーダー映像を活用した場合は、その映像も記録として保存対象に含まれます。

初任運転者教育の記録は、巡回指導や監査の際に必ず確認される重要書類です。保存漏れがあると行政処分につながる可能性もあるため、確実に保管しておきましょう。

◆ 保管しておくべき主な書類

  1. 指導記録簿
  2. 指導に使用した教材・資料
  3. 指導で使用した場合はドライブレコーダー映像

準初任運転者教育を怠るとどうなる?

運転者への教育・指導、点呼の実施、乗務時間や健康状態の管理といった安全運行の基本的な義務は「道路運送法」や「旅客自動車運送事業運輸規則」で明確に定められています。しかし、実際にはこれらの義務が守られていない事業者も多く、監査で最も指摘される違反項目となっています。これらの義務を怠ることは重大事故を引き起こす危険性が高いため、国は厳格な行政処分を行っています。

行政処分の内容には、許可の取消、事業停止、車両使用停止(延べ使用停止日車数方式)、文書警告、文書勧告などがあります。

なお、国土交通省の事故調査(事業用自動車事故調査委員会)では、過去に議決された37件の重大事故を分析した結果「教育・指導不足」が全体の約9割(32件)を占めたことが明らかになっています。

他にも、

  • 点呼未実施等:22件
  • 無理な運行指示:28件
  • 前方不注意:18件
  • 疲労・居眠り:15件

などが多く見られたものの、これらの背景には共通して 「運行管理体制の不備」「運転者への教育が不十分」という問題が存在していました。

調査結果では、ブレーキ操作の不適(13件)や前方不注意(18件)、集中力低下・漫然運転(16件)といった基本操作や危険予測の不足が多くの事故を招いています。これらはまさに初任運転者・準初任運転者教育で実施すべき「危険予測・回避」や「安全運転の実技指導」 の内容です。

つまり、正しい教育を受けていなければ運転者がリスクを察知できず、操作ミスや判断遅れが起きやすくなり、 事故につながってしまうのです。

今回の事故分析では、事故の多くが不十分な教育や危険予測能力の欠如、適切な運転操作ができていないという共通点を持つことが示されています。準初任運転者教育を怠ることは、事故分析で挙げられた「主要事故原因」を未然に放置する行為であり、重大事故につながる危険性が非常に高いとも言えます。事故を起こさないためにも、準初任運転者へのしっかりとした教育が大切です。

参考:
旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について
道路運送法
事業用自動車事故調査報告書に係る事故の再発防止策について

貸切バスの準初任運転者教育はグッドラーニング!

グッドラーニング!は最新の法令に対応した教材で、スマホやPCからいつでも受講可能なe-ラーニングシステムです。進捗管理や指導記録簿も自動作成でき、管理者の負担を軽減します。毎年リニューアルされる教材は、CGやドラレコ映像を活用し、飽きずに分かりやすく学べます。これにより、準初任運転者の安全運転に必要な知識と技能を効率よく身に付けられます。

また、グッドラーニング!は、座学10時間のうちeラーニングではカバーできない「実車を用いた指導」に関するオリジナル指導参考資料も提供しています。国土交通省の指針に準拠した内容で、ポイントを図解入りで分かりやすく解説しています。また、ドラレコ映像チェックシートを、指導者用・ドライバー用と備えています。

まとめ

握手するドライバー

準初任運転者とは、すでに運転経験があるものの「直近1年間の対象車種の運転経験が不足している運転者」を指し、貸切バス事業では初任運転者とは別に明確な教育義務が定められています。車種が変われば運転特性や危険ポイントも大きく異なるため、準初任運転者にも初任運転者教育と同様に、危険予測・安全運転の実技指導など重要項目を確実に実施する必要があります。

国土交通省の事故調査では、重大事故の約9割で“教育・指導不足”が確認されていることからも、準初任運転者教育を怠ることは重大な事故リスクに直結します。安全運行と法令遵守のためにも、教育の実施と管理体制の整備は欠かせません。グッドラーニング!のe-ラーニングシステムで計画的に準初運転者教育を実施し、安全で信頼される貸切バス運行を行いましょう。

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